噂には聞くが、本当に実在しているかどうか、よくわからないのがパチンコやパチスロで生計を立てている「パチプロ」あるいは「スロプロ」と呼ばれる人々。彼らは、どんな生活を送っているのだろうか。また、「パチプロ」「スロプロ」になるのはどうすればいいのだろうか──。そんな疑問に答えるべく、「スロプロ」になろうとして半年間ほど本気でパチスロに取り組んだものの、挫折した経験があるというフリーライターのA氏に話を聞いた。
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私がスロプロになろうと思い立ったのは、2009年の後半くらいでした。当時、メインで記事を書いていたパチンコ雑誌が休刊になり、仕事が一気になくなったところで、果たしてスロプロになれるのかどうかを試してみようと思ったのがきっかけです。
まず、スロプロの基本は、とにかく設定が高い台を打って、低設定台を打たない。高設定を打つために、高設定を頻繁に入れる優良店に通い、日頃のデータを取って、設定を入れる傾向を分析します。そして、高設定が入りそうな台を予想して、朝イチから並ぶわけです。それで、見事高設定台をツモれたら閉店まで打ちまくるのみ。高設定台でないと判断したら、すぐにヤメて、別の高設定台らしき台を探して打つ。もしも高設定らしき台がなければ打たずに待つ。と、これをただただ繰り返すだけです。
当時、私は優良店としてパチスロファンの間で知られている都内の大型店舗Aと、そこまで優良店ではないが高設定台はそれなりに入れてくるといわれている別の店舗Bをメインに立ち回っていました。Aは高設定台も多いけどライバルの「スロプロ」も多く、激しい争奪戦となります。一方Bは、高設定台は少なくてもライバルが少ないので、予想がバッチリ当たれば高設定台に座れる可能性も高い。それぞれに特徴があるので、どちらが良さそうかを毎日判断しながら、店選びをしていました。