高齢者層への増税で退職金の受け取り方にも変化?
今回、「年金以外の所得が1000万円を超える場合と年金収入が1000万円超の場合」も増税となりましたが、高齢者が今後も増え続けて国の年金負担も重くなる中で、高齢者層の増税は今後も続いていくと考えられます。
そう考えていくと、退職金や確定拠出年金を「一時金」でもらうのか、「年金」として受け取るのかという選択にも、今後は留意していく必要がありそうです。
今のところ、退職所得控除には変更がないので、退職金を受け取る場合は控除が大きい退職所得控除を利用するほうが有利なケースが多いでしょう。厚生労働省の調べによると、大卒の人が定年退職した場合の平均退職給付額は2280万円です。
例えば、勤続年数が38年の人の場合の退職所得控除額は2060万円になります。退職金が2280万円の場合の所得額は、退職所得控除額を超えた分(220万円)の半額の110万円です。この退職所得は、ほかの所得(給与所得、不動産所得、事業所得、雑所得など)と合算されず別個に税率をかけるため、低い税率を適用できる可能性が高くなります(110万円の場合は税率5%)。
ただし、確定拠出年金を60歳時に一括で受け取るケースなど、他の退職所得に該当するものがある場合には、その分が合算されるので注意が必要です。今後、退職所得や年金へのさらなる増税があるかもしれません。合わせてウォッチしていきましょう。