2月14日のバレンタインデーを前に、ゴディバジャパンが「日本は、義理チョコをやめよう」という広告を日本経済新聞に打ったことが話題となったが、そもそもバレンタインデーは1980~1990年代ほどの盛り上がりはもはやないのは自明だ。とはいっても、「ニッパチ」と呼ばれる消費低迷の2月を支える経済イベントだったことは間違いない。今、バレンタインデーをいかに盛り上げるか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が改革案を提示する。
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まったくくだらん! バレンタインデーに関する原稿を書くように、という依頼を編集部からもらったので仕方なく書くが、オレはバレンタインデーなど大嫌いである。かつて『3年奇面組』(新沢基栄・作)という漫画でバレンタインデーが何だか分からず「バルタンD」という新種のスタミナドリンクだと誤解するキャラが登場したが、昨今のバレンタインデーは迷走しまくっている、としか言いようがない。
どう迷走しているかといえば、「チョコを大量消費する日」というデブ製造機としての存在だけに成り下がっているのであるっ! これも、バレンタインデーをチョコレート関連の消費に繋げたいと考えた業界が「義理チョコ」だの「友チョコ」だのを押し付けまくり、本来の「愛する人にその思いを伝える」という意義を無視し続けてきたツケといえよう。
正直、オレはバレンタインデーが近づくと憂鬱で仕方がない。モテモテなのを自慢してるのかよ、おい、性格悪いな、と思わないでほしい。何がイヤかといえば、オレは色々な会社に出入り業者として訪問することが多いが、バレンタインデー前後にその会社を訪れるとその会社の女性従業員が「中川さん、どうぞ!」とチョコをくれるのだ。それは、2月5日から2月23日ぐらいまで飲み会をした場合に会った女性も含まれる。
2月14日より前の飲み会であれば「ちょっと早いですが、どーぞ!」と彼女達は言い、2月14日以降であれば「ちょっと遅くなりましたが、どーぞ!」とにこやかに言う。