一方で、上場後にいったん株価が調整した後に、開示された業績予想の上方修正や決算発表を見たうえで、業績の変化率を好感して買われた銘柄が複数あった。セカンダリー投資で狙うべきは、そうした銘柄だろう。
2017年のIPO銘柄でいえば、独立系のエレベーターメンテナンス会社であるジャパンエレベーターホールディングス(東証マザーズ・6544)が典型例だろう。3月17日にIPOした同社株は、公開価格550円に対して890円の初値をつけた後はもみ合っていたが、2018年3月期の上期に2度の業績予想の上方修正を行なったことで上昇気流に乗り、その後の株価(2017年9月末に1対2の分割あり)は初値の約6倍まで膨らんだのである。
したがって、具体的な戦略としては、初値買いにこだわらず、IPO後に株価がいったん調整してから、業績修正や決算発表などで業績変化率を確認しつつ、今後も好業績が続くと思われる銘柄を絞り込んで買うことだ。この戦略を実践すれば、ただ需給や期待値で買われる銘柄より、勝てる確率ははるかに高いはずだ。