中国の所得水準が高まるにつれて、中国人旅行者数は増加の一途であり、旅行業界が中国経済に与える影響も日増しに高まっている。
中国旅行研究院は2月6日、「2017年中国旅行経済運行分析と2018年旅行発展趨勢」を発表した。それによれば、2017年における中国公民の海外旅行者数は延べ1億3051万人 となり、前年と比べ7.0%増加した。昨年は、日本の総人口を上回る人々(延べ人数)が海外旅行に出かけたことになる。
同じく国内旅行者数は延べ50億100万人で12.8%増加した。国土面積、総人口が広い中国なのでこういった巨額の数字になるのだろうが、これだけ国内旅行需要のすそ野が広ければ、海外旅行者数は今後、どれだけ伸びるか想像もつかない。
一方、海外からの旅行者数は延べ1億3948万人で0.8%増であった。
経済面の統計をみると、旅行総収入は5兆4000億元で、15.1%増となった。初歩的な計算だが、全国旅行業のGDPへの総合的な貢献は9兆1300億元でGDP全体の11.04%を占める。旅行業界への直接的な就業者は2825万人、関連産業の就業も加えれば7990万人となり、総就業人口の10.28%を占める。
中国の旧正月である春節休暇(2018年は2月15日~21日)には、多くの中国人が海外旅行に出かけているが、中国最大のオンライン旅行会社であるCtrip社が発表した「2018年春節海外旅行趨勢予想報告」によれば、今年の春節休暇中に海外旅行をする中国人は延べ650万人で、昨年の延べ615万人をこえて過去最大になると予想している。