2月1日までのCtrip社の団体、個人のチケット枚数から計算すると、出国先で最も多いのはタイ。次が日本で、以下、シンガポール、ベトナム、インドネシア、アメリカ、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、カンボジアと続く。タイに行く人は避寒地として、日本に行く人は逆に雪景色を鑑賞に行くことを目的としているケースも多い。
ここ数年、この時期の日本は、冬景色の最も美しい国といった認識が定着している。驚異的な潜在旅行需要が存在するので、中国との距離が近い日本の寒冷観光地は誘致の仕方によっては今後、大きく売り上げを伸ばせる可能性もあるだろう。
春節に関して金融面で少し変わった現象が起きている。上昇トレンドが出ていた人民元だが、春節を前に人民元安に転じている。
人民元対ドルレート(USDCNY)の値動きをみると、12月12日に1ドル=6.6229元の安値を付けた後、人民元高ドル安が進み、2月7日には場中で6.2512元の高値を付けている。しかし、8日は終値ベースで0.75%上昇しており、春節直前の14日には一時6.353元の安値を付けている。春節前の高値安値間の変動幅は1.63%となる。中国人の旅行需要で為替レートが変動する時代になってきたといった点には留意する必要がありそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。