モノを買うのであれば、本当に良いものを買いたいものだが、自らを「ケチだし、ほぼ物欲がない……」と語るネットニュース編集者の中川淳一郎氏は食べ物以外のモノを滅多に買わない。そんな同氏であっても「これは買って良かった……」としみじみと感じるものを紹介する。
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いまだに17年前に買ったこたつで食事をし、暖を取る人生を送っています。現在我が家で使っている家具は、誰かからもらったものだらけですし、本当に欲しいものがない。消費が好きな方からすれば「お前の人生つまらないな……」と言いたくなる人生を送っていますが、そんな私でも本当に買って良かった、と思う商品は少しだけあります。
ここ5年ほどで最高の買い物は、500円台で買った貝印の大根おろし器「おろし専科」です。このおろし器は、大根をすりおろす部分と中敷きと、水分を貯める3つのパートに分かれています。特徴はすりおろす部分に傾斜がついていて、力をそれほどかけずとも大根をおろせるところにあります。とにかく大根おろしを一気に大量に作れるほか、水分を簡単に分離できるので、重宝しています。もちろん、生姜焼きを作る場合でも大量の生姜をおろせる優れものです。
私はサンマの塩焼きが大好きなのですが、これを買う前まではあんまり食卓に並ぶことがありませんでした。理由は、「大根おろしを作るのが面倒くさい」という点にありました。以前使っていた大根おろし器は平らなもので、力を入れなくては大根をおろせなかった。また、3つのパートに分かれていないため、水分と大根おろしを分離するのが極めて面倒くさかった。