Aさんには受給期間延長の“裏技”もある。
「Aさんが公共職業訓練のカリキュラムを受講することでさらに最大2年間、失業給付を延長してもらえます。必要な手続きは、例えば4月に定年退職したらまず雇用延長はしない。ハローワークに行って失業保険を5月から8月までの4か月間受給し、その間に職業訓練を申し込む。5か月すべて受給してしまうと受講ができないので要注意です。訓練は半年コースのものから2年のものまであり、定年後に2年以上、失業保険をもらいながら再就職のために新たなスキルを身につけることができる」(北村氏)
職業訓練のカリキュラムには介護や保育から調理、語学、ペットの動物看護コースまで選べ、受講中は本来の失業給付に加え、交通費や1日500円の受講手当も出る。
事実上、給料をもらいながら次の仕事に備えた“充電期間”を過ごす権利を有効に使えるのだ。
※週刊ポスト2018年3月16日号