メダルラッシュに沸いた平昌五輪は閉幕したが、フィギュアスケート男子シングルで2連覇を果たした羽生結弦選手の人気は過熱する一方だ。実はこうした日本人選手のオリンピックでの活躍は、株価や景気にも深く関わっているという。身近なデータと景気の関係に詳しい三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏はこう指摘する。
「国民的関心事である五輪での日本人選手の活躍は、国民はもちろん市場関係者のマインドも明るくします。過去にもメダルラッシュに沸いた五輪やサッカーW杯の日本代表の活躍時などは株価も上昇する傾向がみられます」(宅森氏。以下同)
今回の平昌五輪でも、羽生結弦選手とスピードスケートの小平奈緒選手が金メダルを獲得した翌営業日となる2月19日の日経平均株価は、前日比+428円と大発会に次ぐ今年2番目の上げ幅を記録した。高木菜那選手がマススタートの初代女王に輝いた翌営業日である26日も、前日比260円も上昇し、波乱の2月相場の中での貴重な上昇相場となった。
国民栄誉賞、スポーツ選手と文化人の違いは
五輪での活躍を受け、政府は羽生結弦選手に国民栄誉賞を授与する方向で最終調整に入ったと報じられている。宅森氏は、国民栄誉賞も景気と深い相関があるという。