ここ数年、家庭でたんすの肥やしになっているジュエリーの買い取りブームが起きているのをご存じだろうか。その背景には、金やダイヤモンドの価格高騰がある。
金の価格は2000年を境に約13年で6倍も上がっている。テロや金融不安によって、株や債券などの信用が落ち、世界中で資産価値と希少価値の高い金が求められるようになったからだ。
その結果、2008年のリーマン・ショック以降、日本でも買い取り業者が急増。個人が持つ貴金属の争奪戦が始まった。
ダイヤの価値も変わり、3カラット以上のダイヤが、2006年以降、3~4年で約3倍になった。これは史上初の上がり方だったという。
「ダイヤは南アフリカのデビアスグループが、長い間ダイヤモンド原石の卸売を独占していましたが、2000年に価格コントロールをやめると宣言。さらに、その後の金融緩和が重なり、一気に値が高騰しました」(ジュエリーアドバイザーアンドギャラリー代表・原田信之さん)
現在も3カラット以上のダイヤの高止まりが続くという。それには、“中国バブル”などが影響しており、資産家の間で希少価値の高いダイヤを持つ機運が高まっている。