今、冷蔵庫や洗濯機などの「白物家電」が売れている。1月24日に日本電機工業会が発表した白物家電の国内出荷額は、前年比2.0%増の2兆3479億円。1997年以来、20年ぶりの高水準となった。1つの要因として、価格は高くても高機能を求める消費者が増えたことにあるようだ。そこで、実際に家電量販店に潜入して、売れている白物家電をリサーチした。
『ビックカメラ』東京・有楽町店の売り場を訪れると、洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどワンフロアに主要な白物家電がズラリと集結。1997年以来、20年ぶりの好調とあって売り場もにぎやかだ。同店の家電コーナー担当・荒井麗那さんに、実際の売れ行きを聞くと、「ここ1~2年、価格が高くても、高機能な商品が売れています。働く女性が増え、時短できる、家事の手間が省けるなどの付加価値があれば高くても人気です」。
2013年から西島秀俊をイメージキャラクターに起用し、豊かな暮らしを提案しているのがパナソニックだ。西島が演じる理想の家族のライフスタイルに憧れる消費者は少なくない。同社の広報担当・藤田美穂さんはこう話す。
「ひと昔前の女性は結婚して寿退社が当たり前でしたが、今は共働きが主流に。家事を女性だけが抱え込まずに、家電とシェアしてほしいんです。食洗機や洗濯機に任せて、そのぶん家族と団らんの時間を作る方が豊かな暮らしではないでしょうか」。白物家電が好調なのは、消費者が生活に新たな価値を見出している証なのかもしれない。
そうした中で特に注目を集めているのが、共働き世代の時短家電「ドラム式洗濯機」、問い合わせの多い注目商品「食洗機」、便利なロボットが続々登場中の「ロボット掃除機」の3つだ。これら大注目の“新三種の神器”で特に売れている商品について、前出・荒井さんが解説してくれた(価格はすべて2月27日時点の『ビックカメラ』有楽町店の実勢価格)。