今年に入って米ドル円相場は円高傾向にあり、専門家の中からは「1ドル=100円を割るだろう」と予測する声も出ている。そうした中で、FX(外国為替証拠金取引)トレーダーは、どのようなスタンスで相場に望むべきなのか。カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、3月のドル円相場に対する見解を述べる。
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直近の米ドル円相場(以下ドル円)は、
・2月16日:1ドル=105.54円(くりっく365の価格・以下同様)
・3月2日:1ドル=105.235円
・3月7日:1ドル=105.44円
というように105円台まで下落する場面が見られました。
このような状況を見て「1ドル=100円の方向にガラガラ下落するのではないか」、と不安に思う方もいるかもしれません。
確かに、3月の本決算に向け、大口の決算対策の売りが入ってきてドル円相場の下落要因になる可能性はあります。また、米国トランプ大統領が、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す意向を示していますが、こちらもドル売りの材料になりますね。
しかし私は、「ドル円相場は現在、底値固めをしている状況にある」と見ています。原稿執筆時点でトリプル底を形成していることもあり、ここからさらにドルが売られ、1ドル=100円の方向に円高ドル安が進行する、ということは考えづらいのではないでしょうか。
1ドル=106円台まで下落した際に安倍首相と黒田日銀総裁と金融庁要人による緊急会合が行われましたが、会合が開かれたことはドル円相場の下支え材料としては大きいでしょう。2016年に英国EU離脱が決定した際も、アメリカ大統領選でトランプ氏が当選した際も円高が進み、緊急会合が開かれていますが、いずれもドル円相場の下落は止められています。
さらに「輸入筋の買いが入った」との報道もありましたので、そういった点から言っても、ドル円相場がガラガラ下落して1ドル=100円の方向に円高ドル安が進行する可能性は少ないのではないか、と私は考えています。
ただし、ガラガラ下落しないにしても3月中にドル円相場が大きく上昇することも考えづらい状況にあります。それは、なぜでしょうか?