実際の相場とのギャップを調べるべき
Kさんが出品したバッグの購入者は、定価から5500円安く買えたが、アウトレットで買うよりは5000円高かったことになる。これを損とするのか得とするのかは難しいところだが、少なくとも底値で買ったわけではないことは確かだ。
実は、フリマアプリでは、こういったケースが多いという。古着ショップの店員Fさんはこう話す。
「古着店で売るよりも、メルカリに出品したほうが高く売れるということは珍しくありません。店舗の手数料分というだけでなく、店舗では売れるかどうかわからなくても、フリマアプリでは、その商品を探している人が直接見つけにくる。そういうお客さんは本当にほしいからという理由で、相場よりも高い価格でも買ってくれる傾向があります」
さらに、フリマアプリをよく利用しているというライターは、こう話す。
「フリマアプリだけでなく、アマゾンのマーケットプレイスでもよくあることですが、市場に出回っている数が少ない本やCDに、プレミア価格をつけているケースがあります。でも、意外と近くの書店で売られていたり、古本店を探せばすぐに見つかったりするもので、そのプレミア価格が適正かどうかは難しいところ。でも、探すのが面倒くさいとか、とにかくすぐにほしいとか、そういう理由でプレミア価格でも買いたいという人は少なくないのです」
とはいえ、「どうしてもほしい」ということではないのであれば、できるだけ安く買いたいところだ。
「フリマアプリの場合、価格は出品者の“言い値”だということは知っておくべきだと思います。相場よりもすごく高いこともあれば、すごく安いこともある。定価よりも安いと思っていても、実は相場はもっと安いということはよくあります。ですから、フリマアプリでものを買う際には、価格が相場とどれくらいギャップがあるかをしっかり調べるべきでしょう。普通にネットで検索すれば、フリマアプリより安い通販サイトが見つかるかもしれません。フリマアプリだけを見て即決するのは、ちょっと危険です」(前出ジャーナリスト)
安く買えるというイメージがあるフリマアプリだが、そうではない商品も少なくない様子。しっかり情報を得たうえで、賢い買い物を。