お嬢様高校からお嬢様女子大に進み、年収数千万円の外資系金融勤務の男性と結婚したアラサー美人主婦ライター・高木希美氏。彼女は学生時代から同級生たちの間でマウンティングのターゲットになっていたという。育ちの良い“お嬢様”たちのマウンティングの実態はどのようなものか? 高木氏が「結婚直後」の同級生からの“攻撃”について振り返る。
* * *
それは女子高の同窓会での光景でした。私が結婚したのは、同級生の中でも早いほうでした。ごくわずかな友人にしか入籍の報告をしておらず、結婚式に誰を呼ぶか、これから決めるというタイミングで同窓会がありました。
同級生の中でも目立つ存在だった京子が、何人かのグループを引き連れて寄ってきました。私は彼女には結婚したことを伝えていませんでした。京子は「おめでとう」も言わず、切り出しました。
「誰と結婚したの?」「旦那さん職業は?」「新居はどこになったの?」
質問攻めです。続いて、「婚約指輪どこのブランド?」と左手を掴まれました。当時はもらったことが嬉しくて、毎日左の薬指にきちんとはめていたHWの文字が光る婚約指輪。
「ねえねえ、これハリーウィンストンだよね? ダイヤ大きいやつだよね? 何カラット? え、金持ち? 旦那さん会社どこ?」
私は「おめでとう」もなく好奇心をむき出しにされたことに、不快な気持ちになっていました。そんな質問、ちゃんと答えたくない。そう感じて「外資系」とだけ答えました。
彼女たちは目をひん剥いて質問攻めを続けてきます。
「え、外資系って言ってもさ、コンサルとか、保険会社とか、メーカーとか、銀行とか色々あるじゃん!」
目は¥マークです。
「ゴールドマン? マッキンゼー? モルスタ? プルデンシャル? てか、どうやって知り合ったの?」
「私にも同僚とか紹介して!」
「結婚式絶対呼んで!」
「うん、行く行く!」
結婚式に呼ぶほど仲良くない同級生たちも、いつのまにか輪に加わり乗り出していました。彼女たちの勢いは止まりません。
「待って待って、旦那さんいくつ?」
夫は私より一回り年上です。年齢だけは正直に伝えました。するとそれを聞いた一人はすかさず「うわ、バツイチ?」とニヤつきました。「初婚だよ」と返答すると、
「えー。けど、そんな年上で稼ぐんだよね? 絶対浮気するよねー。心配しないの?」
「わかる、しかもさ、その年まで結婚しなかったのは遊び人だったからじゃない? 結婚してすぐ遊びやめると思う?」
「金持ちと結婚するとか100%浮気のリスク!」
「わかる、私だったら無理!」
「いくらお金あっても、婚約指輪ハリーウィンストンってさ~、指輪にお金かけるなら貯めたくない? 結婚したら2人の財産になるのにさぁ」
勝手に盛り上がっていきます。「指輪買うなら貯めておく」という彼女たち独自の人生観なんか、どうでもいいのですが……。