高収入世帯が数多く暮らす、港区麻布界隈。夫は外資系金融勤務で年収数千万円、1歳の子供を持つアラサー美人主婦ライターで「麻布妻」の1人である高木希美氏の周囲には、マウンティング主婦が多いという。富裕層ママたちのマウンティングの実態は? ある日、ママ友ランチ会で“バトル”が始まった──。
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私と同じマンションに住み、同じくらいの子供がいて、同じ「外資系金融」の高収入夫を持つ晴香さん(仮名、以下同じ)。彼女は私に「このコート、高いけど、買える?」と言ってきたり、我が家のメルセデスのSUVを見て「うちはベンツ乗らない主義なの」と意味のわからない主張をしてきたりする“マウンティング主婦”でした。
「格下」認定している私のことを、なぜかたびたびランチに誘ってきます。マウンティングが足りないのでしょうか。
ある日の晴香さんとのランチには、近所のマンションに住む幸子さんと真麻さんも来ました。4人で子連れランチです。
晴香さんのマウンティングには辟易していたけれど、他に人が加われば少しまろやかになるかもしれない──そう思ったのは間違いでした。
会話は当初、晴香さんペース。いつもの夫自慢が始まります。
「うちの旦那くんて、小さい頃からオールAの優秀な人で、出世も早くて。外資系金融なんで、出来高っていうか、数字を作ったら上にいけるじゃないですか? だから、周りから僻まれるし本当大変でぇ。
会社の話聞くと、イジメみたいなことされてるのに、負けてないから、旦那くんのメンタル尊敬してるんですよ~。みなさんの旦那さんは何されてるんですか?」
ひとしきり「旦那くん」を持ち上げ終えると、みんなに話を振りました。顔色一つ変えず晴香さんの話を聞いていた幸子さんは、その質問に答えずにこう言いました。