2019年卒の大学生の就職活動がスタートした。今年は「売り手市場」とも評されるが、ならばラクに人気企業の内定を獲得できるものなのか。「そんなに甘いものではない。特に大手は」と語るのは千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏だ。常見氏に学歴フィルターの存在や、売り手市場における就活の心構えを聞いた──。
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今年も超売り手市場は継続中です。リクルートワークス研究所が毎年、発表している「大卒求人倍率調査」では、2015年卒が1.61倍となり前年の1.28倍から0.33ポイント回復。その後、1.73倍(2016年卒)、1.74倍(2017年卒)、1.78倍(2018年卒)と回復が続いております。求人倍率はバブル期ほどではありませんが、高い水準で推移しております。就職情報会社各社の予測でも売り手市場は継続だとみられています。
基本、全体で見れば回復しているといえますが、業界ごとのメリハリがあることは押さえておきましょう。特にメガバンクなど金融機関での採用抑制が話題になっております。メガバンクはやや業績不振の面もあり、店舗業務見直し等で採用を絞ることが話題になっていますね。銀行を含めた金融は学生にとっては人気業界ではありますが、これらの採用抑制によりこの業界への就職は競争が激しくなるだけでなく、志望していた学生がどこに流れるか、という観点も重要です。
また、いくら売り手市場とはいえ、行きたいところに行けるわけではありません。前出のリクルートワークス研究所の2018年卒の求人倍率をみると、従業員5000人以上の企業では0.39倍で、前年の0.59倍から-0.20ポイント低下しています。