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若手芸人 事務所を通さない「闇営業」の悲喜こもごも

アルバイトで生活を支える芸人は多いという(イメージ)

 売れていない若手芸人は、お笑いの仕事でギャラがもらえることがなかなか無いため、ほとんどがアルバイトで生計を立てる。そんな芸人たちが収入源として重宝するのが、所属事務所を通さずに直接引き受ける「闇営業」と呼ばれる仕事だ。

 通常、事務所を通じてもらった仕事は、ギャラのうち何割かを事務所から引かれるが、ギャラのすべてが懐に入る“闇営業”は、「おいしい仕事」。元お笑い芸人のAさんによれば、“闇営業”の仕事は芸人仲間のツテなど、さまざまなルートで入ってくるといい、ギャラの平均は1回のステージで1万~3万円ほどだったという。例えば、「自分が借りていたマンションの不動産屋さんと仲良くなり、その会社のパーティーでネタをすることを頼まれたことがあります。出演時間は5分ほどで、5万円もらいました」と話す。

 しかし中にはひどい条件の闇営業も少なくないという。都内のライブを中心に活動する30代の男性芸人Bさんは、自身がまだ芸歴3年目の頃経験したひどい仕事について、こう振り返る。

「その営業は都内から電車で1時間、そして駅からさらに30~40分ほど歩いた場所にある小さな居酒屋で、芸人5組がネタをするというものでした。交通費は自腹で往復1000円以上かかり、なんとノーギャラ。ただ、お客さんからおひねりをもらえるということだったので、気合を入れてステージに挑みました」(Aさん、以下「」同)

 ノーギャラでも、お笑いを披露できる場があるということで意気込んだAさんだったが、オープンして数時間経った店内を見渡して唖然としたという。

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