主婦のニーズに応えるべく新たな取り組みに挑む企業も
3月28日、大手求人サービスの『ビズリーチ』が運営する求人検索サイト「スタンバイ」の求人動向を発表した。
それによると2018年1月に同サイトに掲載されたパート・アルバイト求人272万件のうち、募集内容に「主婦」と「1日2時間」または「1日3時間」というキーワードを含む求人数は、前年比の約2倍の24万件だった。女性の働き方を研究する『しゅふJOB総研』の川上敬太郎所長はこう解説する。
「これまで主婦層は、意欲があっても長い時間は働けないという人が多かった。だが、近年企業側の求める人材に変化が起こっています。人手不足に悩む企業は以前のように“時間単位”で労働者を拘束するのではなく、“お願いしたい仕事単位”で人材を集め始めている。そのため主婦が働きやすい短時間の仕事も増えてきた。
例えば、佐川急便では子供が不在になる午前中だけなど、主婦に空いた時間を使って自転車で配達してもらう仕組みを構築しています。普段から主婦のかたがたは“何時までに食事を作る”など、時間を逆算して家事をこなしているので、時間の使い方は上手。こうした働き方なら無理なく稼ぐことができます」
このような主婦のニーズに応えるように、新たな取り組みに挑む企業も登場している。3月25日付の日本経済新聞が大手レストランチェーン『すかいらーくグループ』が2018年7月以降に導入予定のシステムについて報じた。
これは『ガスト』や『ジョナサン』、『バーミヤン』など、約30ブランド・3000店に所属する10万人のパート・アルバイトが好きな時間に、どこのブランドのどの店舗でも働けるという仕組みだ。
新店開業など、人手不足に陥った店舗が、人員募集の情報をグループで共有するITシステムに登録すると、働きたい別店舗のパートがスマホを通じてエントリーできる。現在、同社は100億円を投資し、そのITシステムの構築をしているという。同社広報に話を聞いた。
「パート・アルバイトを共有するシステムは、今後の大きな課題ですが、まだ開始時期は決まっておりません」
このシステムが実現すれば、主婦の“ちょい稼ぎ”の大きな助けとなるだろう。
※女性セブン2018年4月26日号