自らの空いた時間や経験・スキルをネット上で売り買いするサイトが話題だ。たとえば、『タイムチケット』というサービスは、自分の時間を売りたい人と誰かの時間を買いたい人を繋ぐマッチングサイト、フェイスブックのアカウントを持っていれば、18才以上なら誰でも登録が可能だ。
自身の経験などを生かし、提供できるサービスを30分からのチケットとして売り出すことができる。2014年のサービス開始から利用者数は右肩上がりで、現在10万人が登録している。色彩検定の資格を持つある主婦は、チケット購入者に実際に会い、その人に似合う色を指南、希望があればショッピングに同行して、買い物のお手伝いをするという“商品”を販売しているという。
一方、『ココナラ』とうサービスでは、自分の経験や知識を売り買いできる。こちらは時間ではなく、役に立つ情報やイラスト、ホームページ制作などを販売。1件500円から売りに出すことが可能だ。同社広報の古川芙美さんが“商品”の一例を紹介する。
「仕事をしながら、4人のお子さんを見事有名中学に合格させた主婦は、そのノウハウを『中学受験合格のための目標達成術』という“商品”にして販売しています。価格は1回の相談につき1000円で、メッセージのやりとりやビデオチャットでの質疑応答でノウハウを伝える。経験者だからこそ知っている裏話なども聞くことができるとあって人気です」
このようなサービスは、今後さらなる進化を遂げるだろう。だが、その一方で“危険”もあると語るのは、ITジャーナリストの高橋暁子さんだ。
「『タイムチケット』や『ココナラ』は不正利用するユーザーを締め出すために、常時パトロールをしているから安全ですが、お金を騙し取ろうとする業者が存在するのも事実。〈写真を撮るだけで月に数十万円儲かるノウハウ売ります。通常10万円のところを今なら2万円〉などの誘い文句で荒稼ぎをした通称“カシャカシャビジネス”は、消費者庁の注意を受け、被害者団体も立ち上がるほど問題になっています。サイトの口コミをよく読むなどの防衛策が大切です」