専門学校といえば、具体的な夢を抱く若者が、それを叶えるために通う場所。主要駅の駅前には専門学校が立ち並び、こぞって高い就職率をアピールしている。そうした中で「就職率100%」をうたっている某専門学校の講師・Kさんが、自身が勤務する専門学校の就職率の高さのカラクリを明かしてくれた。
「私が教えている専門学校には、アート、クリエイティブ、サブカルチャーなど、幅広いジャンルのコースがあります。カリキュラムには就職サポートも含まれていて、自己分析シートによる性格分析、業界研究、模擬面接、自己PRや履歴書の書き方指導、インターンの派遣などを行っており、ホームページには『憧れの業界に就職』『プロデビュー者を多数輩出』といったキャッチコピーが大きな文字で書かれています」
大学よりも専門性が高い専門学校が、希望する業界への就職実績を熱心にアピールするのは当然。学生にしてみても、高い学費を払う以上、希望の業界に進める可能性が薄いのなら、その専門学校を選ばないだろう。しかし現実はなかなか厳しいようだ。
「在学中から自分が進みたい業界でバイトをしている生徒もたくさんいますが、就職先が決まらず、そのままバイト先で働き続ける生徒も“内定”と換算しています。『就職決まらないんだったら、とりあえずウチで働けば?』と言われるパターンが多いようです」
ただこの場合、雇用条件がバイトというだけで、希望の業界には携わっているのだから、まだマシ。実際には、学んだことを生かせないまま放り出される生徒も少なくないという。