60代、70代という高齢者の中にも同様の声が聞こえてくる。都内在住のDさん(68才 専業主婦)の夫(70才)は、日本航空の元パイロット。
「航空会社ブームは1970年代にもあったんです。空の旅が一般化して、海外パックツアーが人気になり、JALといえば学生にとって羨望の的ともいえる企業でした。夫と私は職場結婚で、共に時代の流れに乗っかって入社したのですが、1985年の御巣鷹山の墜落事故で生活は一変。JAL社員の妻というだけで白い目を向けられる日々が待っていました。もちろん学生の人気ランキングからも消えて。夫の退職後のことではありますが、2010年には会社更生法適用で大リストラを決行しています。憧れて入社した会社がこんな浮き沈みをするなんて、予想もしていなかった」
就活サイト『あさがくナビ』編集長の乾真一朗氏が語る。
「どれほどの大企業でも安泰とはいえない時代です。規模や人気ではなく、『どんな仕事なら自分を磨いていけるか』という点で企業を選ぶ時代にきています。会社におんぶにだっこではだめ。
辞めることを推奨するわけではありませんが、今や転職はスキルアップという側面も確かにある。『仮に会社が傾こうと、どこに行っても働けるスキルを身につけてやる』という気概が、学生には求められているのだと思います」
※女性セブン2018年5月3日号