港区麻布界隈に住む「セレブ麻布妻」たちの夫は、医師や実業家など高収入であることが多い。だからなのか夫たちは、女優やモデルとの交遊もあるケースも少なくない。そして生まれるのが、「夫の元カノ」マウンティングだ。夫は外資系金融勤務で年収数千万円、1歳の子供を持つアラサー美人主婦ライターで「麻布妻」の1人である高木希美氏が富裕層女性たちの実態をリポートする。
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時々ランチを一緒にしていた直子さん(仮名、以下同じ)。いつも女優みたいな大きめの帽子を被り、ルブタンのハイヒールを履いている彼女。ご主人は芸能界関係では有名な方で、かつて女優と付き合っていた──ママ仲間は皆なんとなく知っている話でした。気になるけど本人には聞けない、そういう話です。
その直子さんに向かって、「そういえばご主人って……」と切り出したママがいました。すごい勇気だなとびっくりしました。すると直子さん、足を組み直して言いました。
「あー、そうそう、元カノあの女優なの」
そのハッキリした言い方に、みんな驚きます。
「あの女優と付き合うってなかなかでしょ? あの時は事務所の中でも一番売れてたから、あの女優が『この人としたい!』て言ったら、『はい!』って従わなきゃいけない世界。うちの夫は仕事で関係あるから、断れなくて仕方なく付き合ってただけよ。まあ、女優だから見てくれはいいけど、あの女って、夜中にすごい男を呼び出すみたいだし、整形前の顔すごいし、旦那以外にも深夜に呼ぶ男いたみたい。
うちの旦那って、長身であの顔でしょ? 目立つから、芸能人に見えるわけ~。断れないから付き合ってたみたいだけど、好きじゃなかったみたいよ」
どこまで本当なのか分かりませんが、直子さんの話は止まりません。
「しかもさ、旦那がマスクしてるとキレるんだってー。私より目立つな!って。一緒にいてもストレスだったみたい。私に出会って結婚決めたみたいだし」
これは、「あの女を捨てて私を選んだ」マウンティング。実は麻布妻でけっこうあるパターンなのです。直子さんに最初に質問したママも引いていました。