すると、玲子さんが入ってきました。玲子さんは以前、私に向かって「夫は制作会社経営~。まあ私も昔、一応モデルしてたよ。夫って業界にいるから目が肥えてるんだよね。フィギュアみたいな女としか付き合わないからさ」と言い放ったママさんです。
「わかる~! うちの旦那も業界の人だから、元カノがモデルとかグラビアアイドルとか言えない相手ばっかり! 仕事欲しいから近寄ってくるみたい。けど、ああいう女の子って、見てくれはまあまあでも中身つまんないみたいで、すぐ飽きるって言ってたよ。私が一番って言ってくれるの。旦那、私のことほんと大好きだからさ」
相変わらずすごい自慢です。
「私はさ、もっと好きな男いたんだよね。モデルやってた頃だけど、マンション何部屋か持ってて、パトロンみたいな感じでさ~。けど既婚者で、奥さんと別れないって言うから勘弁してよ~、って時に旦那に猛烈に口説かれて。みんなの馴れ初めも教えてよ?」
「うちは、学生時代から」と言ったママに「それ、浮気心配じゃない? マンネリしないの?」と玲子さんは攻め込みます。
ご主人とは学生時代からの付き合いだというママは、「浮気はわからないけど、旦那にもうそんなに興味ないから。玲子さんこそご主人が業界なら、浮気が心配じゃないんですか?」と呆れたように答えました。玲子さんはこう応酬します。
「うちは、帰宅したら私が毎日携帯チェックしてるから。仕事用も、プライベートのも。メールもくまなく見てるけど、たまに夜のお店の子から営業メールが来てるくらいで~。それにうちの人、私のこと、ほんとに可愛い可愛い毎日言うから浮気は絶対ないわぁ」