「セルインメイ」と言われる理由は?
では、日経平均株価について今後の見通しについてお伝えします。
「セルインメイ」という言葉があります。トレード経験者ならどこかで一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、「株は5月に売りなさい」という意味のアノマリー(明確な理論的根拠があるわけではないが、よく当たるとされる経験則)です。
ではなぜ5月に売るべきだと言われるのでしょうか?
その理由のひとつとして考えられるのは、5月が多くの外資系企業にとって本決算月に当たる点です。少し詳しく説明いたしましょう。
過去の統計を見ると外国人投資家は4月に日本株を買う傾向にあります。4月に買いで入り、株価を持ち上げておいて、5月の本決算に向けて利益確定をして決算内容を良くする、という流れです。だからこそ「5月は売り」と言われるわけです。
では今年の5月も日本株が売られて日経平均株価が下落する可能性は高いのでしょうか?
私としては現段階で株価がそこまで高い水準にあるわけではないので、今年の5月はそれほど大きく下落しない可能性もあるのではないか、と見ています。また、日銀のETF(上場投資信託)買い入れも少なくとも6月までは継続されますので、そちらの下支え効果も期待できるでしょう。
ちなみに、日銀のETF購入に関しては、6月でいったんETF購入期間が完了します。そのため、今年の7月以降も6兆円の買い入れを継続して行うかどうかは、トレードにおいて重要なポイントとなるので、注意しておくと良いでしょう。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。