「ピピッ」「シャリーン」「ワオーン」。コンビニやスーパーのレジに並んでいると、こんな電子音を耳にしたことはないだろうか。これらは、電子マネーでお金を支払ったということを知らせる音だ。
千葉県に住む主婦A子さん(41才)は、複数の電子マネーを巧みに使い分けている。
「電車代から食料品、日用品に衣料品まで、日常の買い物のほとんどで電子マネーを使っています。少額だとクレジットカードで支払うのがはばかられますが、電子マネーなら小さな買い物でもカードをかざすだけで気軽に支払いでき、支払いのたびにポイントもどんどん貯まるので重宝しています。
昨年は、家族4人の交通費だけでも年間6000円も得しました。現金で買い物するなんて、もうもったいなくて考えられません」
こうした現金を使わない“キャッシュレス化”の流れは、社会全体で進んでいる。日銀によると、2017年の電子マネー決済件数は前年比4.5%増の54億2300万件と9年連続で増加。経済産業省は4月11日、現金が不要なキャッシュレス化を、2025年までに4割に高めるという目標を決めた。
これを受けて、大手スーパーのイオンも4月16日、電子マネーやクレジットカードなどの電子決済比率を2020年までに80%まで引き上げる方針を発表している。
だが一方で、電子マネーになじみのない世代からは、簡単に決済できるため「使いすぎが心配」「不正に使われてしまうのでは」といった不安の声も聞こえてくる。しかし、上手に使えば便利な上にお得な生活を手にできる。