今週の日経平均は買いに対する支援材料が少ない中、落ち着きどころを探る展開となりそうだ。21日までの日経平均上昇を支えてきた相場の外部環境が急速に悪化してきている。米中貿易摩擦は休戦状態に入ったものの、米朝首脳会談の中止、米国の自動車輸入関税引き上げ問題、為替の円高と、リスク回避の売りが出やすい環境となっている。
テクニカル的にも日経平均が23000円に乗せたことで戻り一巡、達成感が出た格好だ。とくに、23000円はファンド筋が持つポジションの分水嶺だったとの指摘もあることから、この水準が戻りの壁としてフシ意識されてくることになりそうだ。日経平均の下限と見られていた25日線の22500円を割り込んできたことで調整が長引く可能性もあるが、日経平均の週足チャートでは26週移動平均線がサポートラインとしており、相場の下値抵抗力を見極める展開にもなりそうだ。
また、為替の円高傾向さえ落ち着けば、日経平均採用銘柄での予想PERがここまでの株価調整によって13倍台に来ており、自律反発に向かう条件も出始めている。個別株物色への傾斜が高まる地合いの中で、アクセル<6730>、アドウェイズ<2489>など仮想通貨関連の値運びが週末にかけて軽くなっていたことから、物色面では引き続き仮想通貨関連の個別株の動向も注目されそうだ。
今週の主な経済関連スケジュールは、国内では29日に4月失業率、有効求人倍率、30日に5月消費動向調査、31日に4月鉱工業生産、6月1日に1-3月期法人企業統計が発表される。海外では、28日は米国がメモリアルデー、英国がスプリング・バンク・ホリデーで休場、30日は米5月ADP雇用統計、米1-3月期GDP改定値、米ベージュブック、31日は米4月個人所得・支出、1日は米5月雇用統計が控える。