5月末にトルコリラ円相場は1トルコリラ=22.22円(くりっく365)まで下落。高いスワップ金利狙いで買いポジションを持っていたFX(外国為替証拠金取引)トレーダーの中には、今後さらに下がるのではないか、と不安に思っている人も少なくないだろう。はたして、今後のトルコリラ円相場はどんな展開が予想されるのか、カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが意識している材料について解説する。
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今回は、私が意識しているトルコに関する材料についてお伝えします。お伝えするのは、下記4つの材料です。
【1】後期流動性貸出金利3%引き上げ
【2】トルコ国民へのトルコリラ替え呼びかけ
【3】6月に政策金利引き上げの可能性
【4】売買比率の変化
では早速1つ目から解説していきます。5月末にトルコ中銀は緊急利上げをしました。利上げをしたのは「後期流動性貸出金利」で13.50%から16.50%へと3%引き上げ、「金融政策の信頼を回復させるべくあらゆる手段を活用し続ける」とのコメントも出しています。
そして、2つ目の材料に移りますが、「あらゆる手段を活用し続ける」との言葉通り、5月末に「トルコ国民に対し、保有している外貨をトルコリラに替えるよう呼びかけた」との報道がありました。
あまりにトルコリラが売られたので、国民にまで呼びかけてこれ以上の下落を何とか食い止めようとしているわけですが、このような呼びかけは過去に例がありません。「何としてでも食い止めなければいけない」という思いが伝わってきますし、買い支え効果が生まれる可能性が想定されます。