続いて3つ目の材料です。「5月の消費者物価指数を算出し、その結果によってあまりにもインフレが進行していると判断された場合は政策金利を引き上げる考えがある」との報道がありました。
先にお伝えしたように5月末には「後期流動性貸出金利」が引き上げられましたが、6月7日にトルコ政策金利が引き上げられる可能性も出てきています。
売買比率の変動で相場が下げづらくなる可能性
4つ目は「売買比率」に関する材料です。私はトレードをする際、常に売買比率を意識していますが、くりっく365における売買比率を確認すると、5月末に1トルコリラ=22円台にまで下落したタイミングで、それまで約29万枚あった買い残が約6万枚減り、約23万枚になっていました。
資金管理ができておらず、強制ロスカットに引っかかってしまった個人トレーダーの方や、恐怖心からいったん自らロスカットをされた方も多かったのではないかと想定されます。
トルコリラは高金利通貨ではありますが、受け取る金利以上に為替差損が出て、今後相場が上昇してくることを信じられず、待ちきれなくなり、ロスカットされた方も多かったのでしょう。
一方で売り残が約1万枚から約3万枚にまで増えていました。「ここまで下落したら1トルコリラ=20円の方向に下がる可能性もあるのでは?」と考えて、それまでスワップ金利狙いで買いポジションを持っていた方が、リスクヘッジのためにいったん売りを入れた可能性も考えられます。
このようにここ最近は買い残が減り、売り残が増える状況になっています。と言ってもまだ買い残の方が圧倒的に多い状況ではありますが、現状の売買比率を考慮すると、今後相場が下げづらくなる可能性が考えられます。