日本では「お金の話をするのは卑しい」とする風潮もあり、家庭や学校できちんと教えてこなかった。そのため、現代の親には、お金の話が苦手な人や、金融経済用語もちんぷんかんぷんだという人も少なくない。
ファイナンシャルプランナーの八木陽子さんは「少子化時代の子供は、両親のほか祖父母からも支援してもらえることが多い。また、電子マネーなどが一般化し、現金を使う機会が減っているため、お金の大切さが伝わりづらいんです。お金が流通する仕組みや使い方をきちんと教えないと、お金は無限に使えると勘違いし、借金を繰り返すような大人になりかねません」と警告する。
年金も終身雇用も“確実”なものでなくなった今、自分を守り、養えるのは自分だけなのだ。お金の話はタブーという固定観念は、まず親が捨てるべき。
もし子供から、次のようなお金に関する質問をされたら、どう答えるべきか? きちんと答えられるように準備しておこう。
【Q】「お金はどこから来るの?」
【A】できるだけ身近な例をあげて、お金が世の中をめぐっていることを説明してあげよう。例えば…。
「お金の役目は世の中で回ることなの。働くとお金がもらえるよね。そのお金は物を買って手放すことになるし、使わない分は銀行に預けられる。そうやってお金はいつも移動しているの。手放したお金はお店や銀行を移動して、またうちに戻ってくるんだよ」など。