投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月11日~6月15日の動きを振り返りつつ、6月18日~6月22日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇した。小幅ながらも2週連続の上げとなった。米朝首脳会談や日米欧の中銀会合などのイベントを控え様子見姿勢が強い中、円安・ドル高を好感して輸出関連銘柄を中心に買われ、日経平均は反発スタート。12日には、取引時間中に5月22日以来となる23000円台に乗せる場面があったものの、上値は重く短期的な達成感などから利益確定の売りも出て伸び悩んだ。米朝首脳会談については、両国首脳が共同声明に署名したことが一定の評価を受けたものの、非核化の具体策が盛り込まれず、買い材料にはつながらなかった。
注目されたFOMCは予想通り、政策金利が0.25%上昇の年1.75-2.0%に引き上げられた。ただ、2018年内の利上げ見通しをあと2回の計4回に引き上げたことに加えて貿易摩擦の激化も警戒され、13日NYダウは大引けにかけて前日比119ドル安に沈んだ。この米国株安を受けて、米中貿易摩擦への懸念や為替の円高基調も重しとなり14日の日経平均は4日ぶりに反落した。15日は、政策金利を少なくとも2019年夏期まで現行水準に据え置くとした欧州中央銀行(ECB)理事会や堅調な米経済指標の発表、14-15日に開催された日銀金融政策決定会合での量的・質的金融緩和政策の現状維持が予想通りに決まり、日経平均は反発した。
今週の日経平均は上値の重さが意識され、もみ合う展開となりそうだ。米朝首脳会談と日米欧の金融政策イベントを想定内の範疇で通過したものの、企業のファンダメンタルに影響してくる米中貿易摩擦が再燃しており、買い手控え要因となっている。為替の動向に引き続き影響を受けやすい展開が続くと予想される。テクニカル的にみても日経平均は、25日移動平均線を維持して上昇トレンドは崩れていないものの、5日移動平均線を14日に割り込む場面もあって騰勢一服感も漂う場面にある。5月から続く日経平均の23000円からの上値の重さは増している。ただ、15日に日経平均寄与度の高いファーストリテイリング<9983>が1月の年初来高値を更新するなどの動きを見せており、為替や海外市場次第では先物主導で23000円に再び挑戦してくる場面もありそうだ。
全般が手掛かり材料難のなかで、物色人気は個別材料株、マーケットの関心は新興市場銘柄にシフトしそうだ。15日は全市場でストップ高(一時含む)銘柄が13銘柄に増加するなど、個別株物色にうねりがでてきた。一方、今年に入り最大規模のIPOとなるメルカリ<4385>が19日、東証マザーズに登場する。前人気は高く初値も好スタートが予想されることからマーケットのセンチメントを改善する期待がかかる。