かつて大ヒットした演歌に「孫という名の宝もの」という歌詞があった。その“宝”が傷ついたり、壊れたりしないようにするために、祖父母が関われることは何だろうか。
親権は母親に渡るケースが多いため、息子が離婚した場合、祖父母が孫と会うことは難しくなることがある。小学生3年生の孫娘を持つAさん(72・男性)がいう。
「昨年秋に息子夫婦が離婚し、孫娘は元嫁が育てることになった。それでも孫が可愛いことに変わりはない。“これからも会いたい”と頼み込んだが、元嫁は首を縦に振らなくて……。今は通っている小学校すら教えてもらえない」
面会交流支援団体びじっとの代表理事・古市理奈氏がいう。
「2012年の民法改正後、協議離婚に際して、親権を持たない親が子供に面会できる頻度を取り決められるようになりました。最も多いのは『月1回』のペースです。しかし、祖父母に関しては面会交流に関する法律がありません。つまり母親が強く拒否すれば、祖父母が会えない可能性もある」
こんな事態を避けるためには、子供と孫の面会に祖父母が同席する了解を母親に取り付けておく必要がある。
「子供と自由に過ごすことのできる“受け渡し型”の面会交流では、祖父母を交えて会うケースも多い。ただし、その場合も親権者側の感情がこじれるリスクを避けるために、事前に了解を得るほうがいい」(前出・古市氏)