酒が飲める体質の人と飲めない体質の人がいる。かつては「飲みニケーション」という言葉も一般的で、「男のくせに飲めないのか」「オレの酒が飲めないのか」と上司や先輩から迫られることも少なくなかったが、昨今ではそんなことはむしろ非常識扱いに。だとしたら結局、酒を飲める体質と飲めない体質、どっちが得なのか? グーグルの予測変換で実名を入れたら「酒」「アルコール」という言葉が出てくるほど、アル中疑惑のあるネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、この命題について考察した。
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2018年の今となっては、酒が飲めない体質だったら良かったなァ……と思うことが時々あります。なにしろ、これまでの人生で酒に使った金額がすさまじい金額であることに加え酒を飲み過ぎて記憶をぶっ飛ばしたりアポをすっかり忘れて仕事を失ったり、自分のWikipediaには酒絡みの騒動が残る始末ですから。毎日酒を飲んでおり、健康診断ではγGTPの値が900を超えていて医師から「アンタ、いつ肝臓壊して死んでもおかしくないよ!」なんて言われます。
私は現在44歳ですが、学生時代から会社員になったばかりの1990年代は、「男は酒が飲めてナンボ」「オレの酒が飲めないのか、エッ!」「酒が飲めないヤツはつまらない」みたいな、今で言えば暴言が日常的に飛び交う時代でした。
元々飲み会の日以外には酒は飲まないような学生生活を送っていたのですが、社会人になると、とにかく飲むようになるのですね。東京で働いているので自動車通勤ではないですし、何かと楽しいことをしたい人だらけの業界である広告とか出版とかウェブメディアの仕事をしていると、何かと「今度飲みましょうよ!」「今から飲みに行きましょうよ!」みたいなお誘いだらけになる。