近年、よく語られるようになった夫婦間の「レス」問題──港区麻布界隈に住む、セレブな「麻布妻」たちも、同じ問題に悩まされているという。麻布妻でライターの高木希美氏が、“夫婦生活”の話題で起きたマウンティングのエピソードを報告する。
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久しぶりに、同じマンションに住むマウンティングママの晴香さんとお茶をする機会がありました。晴香さんが連れてきた麗奈さん、そして外資系金融の夫を持つ由美さんも一緒です。
いつものように晴香さんが「うちの旦那くん、最近も忙しくて~。でも仕事で大事な時期だし、ジョブタイトルも上がりそうだから、頑張ってるんだよね」とよくわからない“旦那くん自慢”をしていると、由美さんがこう言いました。
「晴香さんの旦那さんも外資でしたよね。うちもなんですけど、本当に忙しくて。私が家事を完璧にできないことを理由にして2人目を作るのも拒否されてるし。あの……失礼ながら晴香さんところは、あるんですか? 夫婦生活……」
晴香さん「たまーにあるけど、前より完全に減ったかな。旦那くん忙しいから」
由美さん「うちはもう2年くらいなくて」
私も交えて、産後は生理痛がひどくなった、ホルモンバランスが悪くなった気がする、などと話しているとニコニコしながら黙って聞いていた麗奈さんがこう言い出しました。
「みんなさ、レスだから辛いんじゃない? 生理痛とかホルモンバランス」
これにはみんな「え?」と一瞬静かになりました。
「私、妊活中なんですけど、週8~9回は絶対あるんです。多少イライラしたりすることはあるけど、みなさん月1もないくらいですよね? それは女性として切ない……旦那さんたちどうしてるんですか? 浮気してる可能性は?」
「絶対したほうがいいですよ。しないとギスギスするしイライラもするし。私は子供産まれても絶対旦那優先」
「けど、みなさんお子さん産まれても綺麗にしてるし尊敬。子育てって大変ですよね。妊活も辛い時あるから、わかります」
そんな言葉を並べつつ、いかに夜を充実させるべきか、自分はどれだけ充実しているか、同情形式で彼女の話は進みました。これは新手のマウンティングなのでしょうか。