お受験戦争で“疲れている”子供たちにとって、エナジードリンクは“心強い味方”になっているようだ。
息子の野球チームに差し入れ
前出の母親によれば、娘は週4日塾に通い、帰宅は夜の10時半過ぎ。その後も家で宿題をこなし、寝るのは日付が変わる頃だという。
「12歳の子供にはしんどい生活だと思いますが、夏休みに入るこの時期から、みんな本気を出して勉強し始める。月に1回、塾で行なわれるテストで成績が悪いと、クラス落ちしてしまいます。親の本音としては、なんとしてもトップのクラスに居続けて、ハイレベルな授業を受けてほしい。最初はびっくりしましたが、エナジードリンクを飲んで頑張れるなら、と思っちゃいますね」
親が子供にエナジードリンクを奨めているケースもあるという。小学5年生の息子を持つ父親が言う。
「私自身、仕事中によくエナジードリンクを飲んでいて、“栄養価の高いスポーツドリンク”という感覚です。なので息子が風邪を引いた時にも飲ませましたし、息子の少年野球チームに差し入れしたこともあります」
一昔前まで、大人の飲んでいる栄養ドリンクを子供に飲ませるなどあり得なかったが、隔世の感がある。
「エナジードリンク」は栄養ドリンクの一種だが、昔からある「ドリンク剤」とは分類が異なる。
ドリンク剤は、「医薬品」または「医薬部外品」に該当し、医薬品医療機器法(旧薬事法)のもと、効果を謳うことができる。対してエナジードリンクは「清涼飲料水」の扱いで、具体的な効果を表記することは認められていない。一方でそれが手軽さにつながり、コンビニなどでお茶やジュースとともに陳列され、手に取りやすくなっている。
調査会社インテージによると、2017年度の市場規模は、ドリンク剤が1723億円。この10年間で約2割減少したが、エナジードリンクは倍増の814億円。市場拡大の背景には顧客層の“低年齢化”もありそうだ。