アメリカが輸入品に対して関税を課し、それに対抗して他国が報復関税を課す、という「貿易戦争」とも呼べる構図が続いている。このような状況の中、今後の米ドル円相場はどのように推移すると考えられるのか。FX(外国為替証拠金取引)のカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、今後の見通しについて考察する。
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世界経済に混乱が生じています。6月1日よりアメリカが輸入する鉄鋼に対して25%、アルミに対して10%の関税が課せられましたが、EUは報復措置としてウイスキーやバイクなど約3600億円相当のアメリカ製品に対し25~50%の関税を課しました。アメリカと中国との間でも追加関税の応酬が続き、貿易戦争の様相を呈しています。
ただ、これまでのトランプ大統領の動向を見ていると「やるぞやるぞ」と言いながら、いざその時になったらコロッと態度を変えそこまで大事にならずに収束していく、というところもあります。
金正恩委員長との米朝会談もそうですが、今回の関税の件に関しても、最終的には無難なところに収まる可能性が考えられます。
今年はアメリカの中間選挙の年ですからトランプ大統領としても世界経済が混乱して、ドル安を招いたり、NYダウが大幅に下落するような状況は望んでいないはず。そうした状況からも、トレーダーの方はあまり神経質にならず客観的に見るのが良いでしょう。
では、そういったことも踏まえ、今後米ドル円(以下ドル円)がどういった動きになると考えられるのか、私の考えを共有させていただきます。