7月4日、文部科学省の局長が、医大に便宜を図った見返りに、自分の子どもを大学入試で合格させてもらったとして、受託収賄の疑いで逮捕された。医大や歯科大の入試については、コネや裏口入学が噂されることも少なくないが、本当に“ズル”はないのだろうか。首都圏のある高校を卒業した男性Aさん(40代)は、「少し前の話ですが」と断った上で、「私の周りにも何人かいました」と打ち明ける。
Aさんの出身校は、およそ3割の卒業生が医大や歯科大に進学する私立高校。Aさんが同校を卒業したのは20年以上前だが、同級生の中には、“怪しげな形”で医大や歯科大に合格した者が何人もいたという。
「ある私大の医学部に進学したB君は、『合格発表の前に○○さんから電話があって、“補欠だけど、上の方にしておいたから”と言われた』と言っていました。○○さんというのは高校の先輩で、親族がその私大の学長をしていたため、そのような電話があったそうです。
またある歯科大に進学したC君は、父親と祖父がその歯科大OBで、祖父はある分野の権威。そんな背景もあってか、C君が実力で進学したと思っている同級生はゼロでした。何しろC君は高校を1年留年しており、成績はほぼビリでしたから」(Aさん。以下「」内同)
近年では推薦入試などの制度が整備されたことで、表向きはきちんと合格したように見えるケースが増えているようだが、それでもこういった例は、限りなくクロに近いグレーゾーンといえるだろう。このほかにも“手心”が加えられやすい要素があるという。