「私が通った高校からは、中堅や新興の私立医大や歯科大にそれぞれ毎年4~5人は進学します。各校にはそれぞれOB会があって、強固な学閥が築かれており、大学をまたいでの繋がりも強いようです。学会に行くと、そこかしこで知り合いに出会い、さながら同窓会のような状況だそう。そのような土壌があるためか、二次試験で面接まで進むと圧倒的に有利だという話も聞きました」
それだけの実績があれば、大学側としても取りやすいということなのだろうか。しかし中には、失敗例もあるそうだ。
「D君は開業医の一人息子で、父親がどうしてもD君を医者にさせたがっているというのは、同級生の間では有名な話でした。D君は受験直前になってもちっとも勉強せず、『父親に任せてあるから大丈夫』と言っていましたが、結果は不合格。D君は、『面接まで行けば何とでもなるから、筆記だけは(実力で)通ってくれって(父親が)言うんだもん。そんなの無理に決まってるよな~』と、あっけらかんと言っていました」
D君はその後、浪人して医大進学を目指したものの、6浪突入が決定したところでついに断念。現在は、診療は他人に任せ、医院の経営に専念しているという。