逆に「国内債券」はリスクが低い分、リターンは大きく見込めません。であれば、「確定拠出年金」のような60歳まで引き出せない口座ではなく、一般的な証券口座で運用をしてもよいのではないか──と考えられます。
また、「NISA」と「つみたてNISA」はどちらかしか利用できません。前者は投資額が年間120万円までで非課税運用期間は5年間(合計600万円)。後者は投資額が年間40万円までで非課税運用期間は20年間(合計800万円)。
個別株式で運用する場合は最低でも数十万円かかるケースがあり、しかも短期での値動きが大きくなる傾向があるので、「NISA」を“置き場”とするほうがメリットを享受できます。一方、投資信託で運用する場合は運用期間を長く考えた方がいいので「つみたてNISA」を“置き場”とするほうが適している傾向にあります。
NISAや確定拠出年金は、それぞれ運用期間や投資金額に制限があります。その特徴をうまく活かして置き場所を検討しましょう。
20~30代の場合なら……
一例ですが、30代くらいまでの方だったら、以下のようなアセット・ロケーションが有効だと考えられます。
・確定拠出年金(iDeCoなど):海外株式
・つみたてNISA:国内株式・海外債券メインの投資信託
・一般の証券口座:国内債券
・その他:預貯金・保険・不動産など
これが40代以降の方になると、60歳で「確定拠出年金」の運用を終えて受給しようとする場合、20年間新たな投資資金を運用できる「つみたてNISA」のほうが運用期間が長く取れますので、「確定拠出年金」と「つみたてNISA」に置く商品を逆にしたほうがいいという考え方もできます。