ドル円相場は中長期的には“買い”スタンス継続
まずドル円相場は、昨年11月高値114.75円から本年3月安値104.63円までの下落幅に対して、テクニカル分析の一手法であるフィボナッチリトレースメントの計算に基づき、76.4%戻しを達成しました。原稿執筆時点では、全値戻し達成できるかどうかに私は注目しています。
そして今後の中長期的な見通しについて、私としてはドル円相場の大きな流れは、引き続き“買い”スタンスのままだと考えています。
8月に入ると、「夏枯れ相場」になり、例年下落する傾向にありますが、もし円高方向に動いたとしても一時的な調整になる方向で考えていますし、もしかしたら今年は夏枯れ相場にならない可能性も視野に入れています。
その理由の1つとして挙げられるは、武田薬品のシャイアー買収(約7兆円)です。買収のために、少しでも円高に振れれば、円売りドル買いが入ってくることも想定されます。7兆円規模ですから、その影響は決して少なくはないでしょう。
また、ドル円の売買比率(くりっく365)も参考になります。ドルは基軸通貨であり世界中で取引されているので、くりっく365だけのデータでは当てにならない、という方もいるかもしれませんが、参考にはなるはずです。
ドル円の売買比率を確認すると、「買い残」に比べて「売り残」が多い状況であり、このことから下がりづらい状況にある、と言えます。
また、ここ最近はくりっく365のドル円相場でトレードを行なった場合、買いポジション1万通貨あたり70円以上のスワップ金利が享受できます。
売りポジションを持っていると、逆に同額のスワップ金利支払いが発生するので、そういった意味でも売りポジションを手放す方がいることも想定され、こちらはドル円相場において上昇要因となるでしょう。
以上、私がどういった点にポイントを置いてドル円相場を見ているのか、お伝えさせていただきました。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。