上海総合指数は底打ちした可能性が指摘されている。中国本土市場では20日午後、政府の株式安定化資金が入ったのではないかといった見方が広がった。
前週の上海総合指数は週足ベースでみると0.1%安だが、7月12日以来、19日まで6日続落となった。一日の下落幅は小さく、商いが細る中で、じりじりと下げるといった展開が20日前場まで続いた。しかし、後場に入り、突如として大規模な資金が流入し指数は上昇、この日の終値は2.0%高となった。
後場から急騰したのは指数への影響の大きな銀行、保険、証券といった金融セクターである。個人は値動きの小さな大型株を好まない。こうした金融大型株を買ってくるのは機関投資家である。わずか1時間強で上海総合指数を2%引き上げるほどの資金が入ってきたのだが、それはどこから出てきたのだろうか? 国家資金の入ったファンドが大規模な買い注文を立て続けに入れたことで、政府系ファンドの動きに敏感な機関投資家が連動して動いたということだろう。
ただし、この日はもう一つ上昇の要因となったかもしれない材料があった。
中国銀行保険業監督管理委員会は20日大引け後、商業銀行理財業務監督管理弁法(意見徴収稿)を発表した。内容は、理財商品の分類、管理、運用の規範化、透明化、リスク・レバレッジの管理、流動性のコントロール、運用機関の管理、ディスクロージャーの強化、商品の管理など。続いて中国人民銀行は「金融機関の資産管理業務指導意見を更に一歩進めて明確に規範化するための関連事項に関する通知」を発表。さらに、中国証券監督管理員会は20日夜間、「証券先物経営機関私募資産管理業務管理弁法(意見徴収稿)」を発表した。