ちょっと何言ってるか……という攻撃的マシンガントークです。お兄さんがたしなめようとすると、「私、裏表がない性格なの。だからズバズバ聞くだけだけど裏表ないから」。
さらに、食事会が終わり、後日──。
「あの子、おとなしそうな顔して時計はロレックスだったし、ティファニーのピアスだった。バッグはエルメスだし、清楚に見せかけてすごいかまととぶってそう。気をつけたほうがいいです」
夏菜子さんが、そんなリポートをお姑さんにしていました。それをそのままお姑さんが若菜さんの彼に伝えてきたそうです。
若菜さんのブランド品は、すべてお祖母様やお母様から譲り受けた品です。彼の家族との食事会で、お嬢様である彼女がちょっとした装いをすれば、自然とそうなります。
一方、お兄さんのお嫁さんは地方から出てきた人で、大学時代から付き合い始め、結婚を見据えていたからか働いたことはないそうです。特に実家が裕福というわけではないけれど、ブランドは大好き。東大に通っていたお兄さんが稼ぐようになるのを狙って結婚したのでしょうか。
結婚となれば、相手の親兄弟やその結婚相手まで含めて家族になります。だからこそ、お嬢様にとってはこれまで出会ったこともないようなタイプの人と向き合わなければならなくなります。それを乗り越えられるかどうか。「お嬢様」にとって大きな壁になると言えそうです。