記録的猛暑でエアコンが欠かせない毎日。よく言われる「こまめに消す」という節電術は実は効果が疑わしく、メーカーの調査では30分程度の外出ならつけっぱなしのほうが電気代は安いという調査結果があるという。
こうした“勘違い節電術”はエアコンだけでない。近年、節電効果が高いとして人気のLED照明。自宅の電球をLEDに取り換えた家庭も少なくないはずだ。ところが、節約アドバイザーの丸山晴美氏によると、「節電にはなっても、費用対効果が悪い」という。
「LEDは同じ明るさの蛍光ランプと比べて値段は3倍近いのに、消費電力は3W程度しか変わりません。54Wの白熱電球を、『12Wの電球型蛍光灯』に替えた場合と『9Wの電球型LED』に替えた場合を比べると、節約できる電気代の差は1年間で160円だけ。トータルコストで考えるとLEDがお得とは言えません」(丸山氏。以下「」内同)
エアコン同様に、蛍光灯もつけっ放しがいい──と思いきや、そこは違うという。
「LEDを含めた現在の照明は昔ほど点灯時に電力を消費しないので、点灯時間が電力消費量に比例します。短時間でも部屋を不在にするなら消すのが正解です」
そこでこまめに電気機器の電源をオンオフしやすい「節電タップ」を利用している人も多いが、丸山氏はこう指摘する。
「接続状態で光るタイプだとスイッチ1つで0.1W程度の電力がかかります。増設タップ代わりに利用する人もいますが、知らないうちに“増電タップ”になっているケースがあります。また、テレビを見ない時はコンセントからプラグを抜いている人もいますが、現在のテレビは待機電力がほぼゼロです。プラグを抜き差しするとデータ受信や再設定に電力を費やしてしまいます」