「人生100年時代」に突入したといわれている。となれば、老後の資金が心配になるが、再雇用から年金、相続税で長寿をメリットに変える発想はいくらでもある。
政府は高齢者を新たに雇い入れたり、定年を65歳以上に引き上げた企業に様々な助成金を出している。それが高齢者の再雇用を支え、給料の有力な原資となってシニアに還元されている。
そこで定年後も再雇用で稼ぎ、本格的にリタイアした後は年金の長寿メリットがある。夫婦で月額約22万円の年金を65歳の受給開始から35年間受給すればざっと1億円になる。働かなくてももらえる“給料”だ。
生活に必要な資金はシニア向けの優遇措置をフルに活用し、うまくやりくりして年金から月5万円を蓄えると、100歳までに年金から2000万円以上残る。だが、蓄えても相続税で持って行かれては元も子もない。
それなら、贈与の非課税枠を利用すればいい。経済ジャーナリスト・荻原博子氏が語る。
「80歳になってから、子供2人に毎年贈与税の非課税枠いっぱいの110万円ずつ贈与すれば、100歳までの20年間で4400万円になる。その分の相続税課税を圧縮できます」