定年後、退職金と並んで老後生活の大きな柱となるのが年金。何より注意したいのは、「もらい方」で大きく姿を変えることだ。ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんが語る。
「年金は仕組みが変更されることが多く、計算方法も複雑なので多くの人が苦手にしていますが、もらい方によって総額が大きく変わります。年金を増やすも減らすも、あなたのもらい方次第なんです」
確かに、国民年金は加入期間によって受給額が変わるし、厚生年金は転職などで勤務先が変わると途端に計算が複雑になる。特に女性の場合は結婚や出産を経て働き方が変わるケースが多く、どの年金にどれだけ加入したのかわからなくなりがちだ。
横山さんがまず勧めるのは、自分の年金をきっちり把握することだ。
「毎年の誕生月にはがきで届く『ねんきん定期便』を見れば、これまでの加入期間と納付額、現在の状態が60才まで続いた場合にもらえる年金の見込み額が一目瞭然です。定期便に記されたアクセスキーを使ってインターネットの『ねんきんネット』にアクセスすると、年度や勤務先ごとの納付記録もチェックできます。ネットでは将来もらえる金額の試算もできるので、特に何度か転職をしている人は必ずチェックしてほしい」(横山さん)