ただし、70才で受給開始するには65才から70才までの年金受給のない「空白の5年間」を凌ぐ必要がある。
「その5年間でもらえるはずの年金は、月額22万円の標準モデル夫婦で1320万円に達します。5年間の繰り下げをする場合、妻がパートで稼ぐなどして、空白分を埋める必要がある。生活費の見直しや、定年後の夫のアルバイトなども必要になるでしょう」(社会保険労務士の稲毛由佳さん)
繰り下げ受給には、「夫の年金だけ」「妻の年金だけ」という“裏技”もある。井戸さんが勧めるのは、「妻の年金だけ70才まで繰り下げる」やり方だ。
「一般に女性の方が長生きなので、12年という損益分岐点を突破しやすい。また、女性は男性より生涯年収の平均が低く年金が少なくなりがちなので、繰り下げをして少しでも金額を増やしておきたい」
※女性セブン2018年8月9日号