日本銀行は7月31日の金融政策決定会合で「長期金利を0%程度に誘導する」目標を緩和し、ある程度の金利上昇を認める方針を決めた。長期金利は住宅ローン金利の目安にもなるので、マイホームの購入を考えている人や現在ローンを返済中の人は、動向に注目しておきたいところだ。
住宅ローンの損得は金利の影響を大きく受けるがそれだけではない。返済の仕方もそのひとつだ。
住宅ローンを組んだ後は、毎月返済していくのが基本だが、まとまった資金ができたときには、その都度、返済することもできる。これを一部繰り上げ返済という。
一部繰り上げ返済ができる金額は金融機関やローンによって異なる。たとえば、住宅金融支援機構と金融機関の提携商品である「フラット35」の場合、一部繰り上げ返済の手続きを金融機関の窓口で行う場合には100万円以上、インターネット経由で行う場合は10万円以上となっている。
金融機関によっては1万円程度から可能なところもあるので、住宅ローンを選ぶ際には、一部繰り上げ返済の条件もチェックしておいたほうがいいだろう。
さて、一部繰り上げ返済の時期は、一般的に早い方が有利だ。たとえば、3000万円を金利2%、35年返済で借りて、1年後に100万円を繰り上げ返済すると、約94万円の利息が軽減される(期間短縮型の場合)。
同じ条件で3年後に繰り上げ返済をすると、軽減される利息の額は約86万円、5年後なら約79万円となる。同じ金額を一部繰り上げ返済しても、実施時期が遅くなるほど、トクする金額は徐々に減っていくわけだ。