家計

住宅ローン、当初の借入額を減らすより繰り上げ返済の方が得するケースも

1年後に100万円を一部繰り上げ返済したところ…

 では、当初の借入額を減らすのと、借りてから繰り上げ返済をする場合ではどうか。マイホームの購入時には、できるだけ自己資金を多くして、住宅ローンの額を抑えたほうが、家計負担を減らすことができる。

 しかし、手元資金をすべてマイホームの自己資金に使ってしまうと、いざというときの資金がなくなってしまう。ある程度の資金を手元においておき、資金が貯まったら繰り上げ返済をした方が安心だ。

 そこで、2900万円の住宅ローンを金利2%、返済期間35年で借りた場合と、同じ条件で3000万円の住宅ローンを借りて、1年後に100万円を一部繰り上げ返済した場合では、どちらが有利になるだろうか。

 まず、借入額が2900万円の場合、毎月返済額は約9万6000円で、総返済額は約4035万円だ。一方で3000万円の場合、毎月返済額は約9万9000円。1年後に100万円を一部繰り上げ返済すると、軽減される利息額は約94万円で総返済額は約3980万円となる(繰り上げ返済分の100万円は除く)。

 最初から2900万円で住宅ローンを組むよりも、3000万円のローンを組んで1年後に100万円を繰り上げ返済したほうが、総返済額は約55万円少なくて済む。意外に感じるかもしれないが、前者は35年返済であるのに対し、後者は一部繰り上げ返済によって総返済期間が33年5か月に短くなるのが理由だ。

 無理して自己資金を増やし、当初の借入額を抑えるよりも、返済が始まってから一部繰り上げ返済で得する方法もあることを知っておくと、家計にゆとりができるかもしれない。

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