投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が8月20日~8月24日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は底堅い展開か。米カンザスシティ地区連銀主催の恒例の経済シンポジウム(ワイオミング州ジャクソンホールで開催)で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は講演を行なう予定となっている(プログラムの詳細は現地時間23日午後6時公表予定)。パウエルFRB議長の発言から年4回利上げシナリオが確認できれば、リスク選好的なドル買いは続くとみられる。ただ、トルコリラの値動きについては先行き不透明感が続き、引き続きドル・円の上値を抑える一因になるとみられる。
22日公表される連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月31日-8月1日開催分)では、タカ派寄りの声明に沿った内容であれば9月と12月を含めた年4回利上げシナリオへの期待から、ドル買い基調がより鮮明となろう。
ジャクソンホールでの講演では、パウエルFRB議長が好調な米国経済を背景に引き締めの必要性を強調する見通し。一方、日本銀行の黒田総裁が地元メディアの取材を受けた場合には緩和策の縮小に思惑が広がりやすく、円買いに振れる場面もあるだろう。
また、引き続きトルコリラの値動きが警戒される。トルコ政府は、2016年のクーデター未遂事件に関与した疑いで自宅軟禁中の米国人福音派牧師の解放をめぐり、トランプ政権と対立している。ムニューシン米財務長官は16日、「米国人牧師が解放されなければ、対トルコ追加制裁を賦課する準備がある」と述べており、米国が強力な制裁を発動した場合には、トルコ経済への影響が懸念され、再びリラ売りが優勢になり、リスク回避の円買いを誘発しよう。
一方で、米中は貿易摩擦の回避に向けた動きを見せており、今月22-23日にワシントンで開催される米中貿易協議で何らかの進展があれば、通商問題に関する懸念は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りが活発となる可能性がある。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(22日公表予定)
22日(日本時間23日午前3時)に公表される7月31日-8月1日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で9月と12月の追加利上げに関する明確な手がかりを得られるか注目される。利上げ継続を支持する意見が多く見られた場合、ドル買い材料になるとみられる。
【ジャクソンホール年次シンポジウム】(8月23-25日)
米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ連銀主催の年次シンポジウム。今年のテーマは「変化する市場構造と金融政策への影響(Changing Market Structure and Implications for Monetary Policy)」。例年通りFRB当局者による講演などがあれば、ドル買い要因となりそうだ。