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墓じまいの落とし穴 料金だけで決めたら取り返しのつかない事態も

「墓じまい」をした後もトラブルは起きる

 菩提寺が遠方の郷里にある場合、ついつい足が遠のいてしまう墓参り。自宅近くに墓があれば……と改葬を望む人が急増しているが、いざ田舎の「墓じまい」を決断しても、当事者には数多の難題が降りかかる。お寺から高額な離壇料(檀家を離れる時にこれまでの謝礼として支払うお金)を要求されたり、墓石撤去の際に石材店ともめたりするなどのトラブルも後を絶たない。

再改葬できなくなった

 さらに、墓じまいが終われば一安心、というわけにはいかない。墓じまいをした後も、トラブルは起きる。その筆頭が、改葬先の“仕様”に関するものだ。雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大氏が語る。

「格安の共同墓地の中には、遺骨を粉状にして他者の骨と混ぜて保管する業者もある。この場合は個人の識別は不可能となり、新たに墓を購入して再改葬しようにも遺骨を取り出せません。料金だけを見て改葬先を選ぶと、後々取り返しのつかない事態になるかもしれない」

 昨今は夫婦両家の墓を一緒に墓じまいして、新たに一つの墓地に納骨する人も多いが、ここでも落とし穴がある。

「改葬先の墓地に骨壺が二つ入らない、というケースがあるんです。その場合は双方の遺骨を一部取り出して一つの骨壺に集約して納骨するのですが、残りの遺骨は別途、永代供養墓や共同墓地を購入して保管しなければならず、多額の費用が余分に発生する。改葬先の墓は微細な点まで確認するべきです」(ある葬儀業者)

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