墓じまいを巡って頻発するこれらのトラブルを受けて、前出の小川氏は「代行業者」の利用も一考すべきだと提案する。
「墓じまいは、必要書類を揃えるだけでも各地の市役所を駆けずり回らなければならない。遺骨取り出し、墓石撤去、開眼供養の手続きなども極めて煩雑です。代行業者は平均30万円ほどの費用がかかりますが、公的書類の整備から撤去業者選定、寺との事務手続や遺骨の移動まで、全てやってくれるところが多い」
墓じまいは自分でやると手続きに1か月以上かかることも珍しくないが、代行業者なら2週間程度でできる。そのため依頼者は増加しているという。
そもそもブームに乗って慌てて墓じまいして良いものか、今一度冷静になることが必要だ。お墓の事情に詳しい東洋大学ライフデザイン学部非常勤講師(エンディングデザイン研究所代表)の井上治代氏が語る。
「お墓に行って遺骨を拝むだけが親の供養ではない。自宅に写真を置いて、気持ちを込めてお祈りすれば、それもまた立派な供養です。家族や生活形態の変化が著しい現代社会で、伝統的な供養の仕方は絶対ではないはずです。自分にとって何が大切かを改めて考えてみることが必要なのではないでしょうか」
泉下の先祖に余計な心配をかけないためにも、墓じまいには賢い選択が求められる。
※週刊ポスト2018年8月31日号